法人化の際に簿価と残債のバランスが悪い状態とは?
節税のために個人で持っている物件を法人へ売却するケースがあります。
法人で所有したほうが、家族への役員報酬など、節税の幅が広がりますからね。
でも、物件を個人から法人に移す時に注意することがあります。
それは、移す物件の簿価と残債のバランスです。
通常、物件を移す時は、簿価で移すことが多いのですが、
簿価より残債の方が大きいと、借入が残ってしまうからです。
例えば、簿価8千万円、残債1億円の状態で、個人から法人へ物件を移すケースを考えてみましょう。
簿価で物件を移すということは、法人に8千万円で売却するということになります。
だから法人は金融機関より8千万円を借入して、個人に購入代金を支払います。
一方、個人は法人から8千万円を売却代金として受け取るわけですが、
残債が1億円あるので、残りの2千万円は、自己資金を出さないといけなくなるんですね。